反り腰と腰痛
今回は,女性の腰痛の原因で多い反り腰について解説します。
多くの方が反り腰を自覚できていない隠れ反り腰が原因になっている場合が非常に多いです。
反り腰とは
本来,脊柱(背骨)は下図の様に緩やかなS字のカーブを描いています。
腰のところだけを見ても腰椎は前弯(くの字)になっていますが,
反り腰の場合はこの前弯がきつくなっている状態です。
反り腰の原因
1:筋肉バランスの不均衡
人は座ったり,立ったりと日常生活を送る中でたくさんの筋肉を使っており,
これは,姿勢を保つ抗重力筋という体の背中側に筋肉をたくさん無意識に使っています。
ですが,現代の多くの方が腹部筋肉とのバランスが崩れている方がとても多いです!
というのも,体には相反神経抑制と言って,
背中の筋肉を使うとお腹の筋肉が緩む,
逆に,お腹の筋肉を使うと背中の筋肉が緩むといった作用があります。
これは決して悪い作用ではなくて,
この作用があるから,人はスムーズに体を動かす事ができる様になっています。
ところが現代人はデスクワークや家事,スマホなど,体を丸める事がとても多いので
お腹側が緊張しやすくその反対に背中が弛みやすい方が多くなります。
しかし,この時に緊張したお腹と均衡を保とうと無意識に腰を少し反ったような状態で支えている。
これが隠れ反り腰の方です。
専門用語で反り腰と猫背が合わさったこの姿勢をスウェイバック姿勢と呼びます。
2:体重の増加
妊娠や急な体重増加はお腹が出るような体型に変わります。
お腹が大きくなりかつ,内臓も下へ落ちてくる(内臓下垂)為,立っている状態で骨盤が前傾してきます。
そこで,お腹の重みでバランスを崩した姿勢を正す為に,腰を反らせて外見の異常を整えます,
なので,結果的に反り腰になってしまいます。
3:ヒールなどの踵の高い靴を履く
ヒールの様な踵の高い靴を履いていると,つま先の方に体重が乗るので上記姿勢と同じ形となり
反り腰になります。
反り腰が起こす症状
1:慢性的な腰痛
悪い姿勢を長期間続ける事で筋肉が強く緊張して血流が低下,腰の可動域も狭くなる事で,腰痛につながります。
2:脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは,神経を保護している脊柱がなんらかの原因で変性しその神経を圧迫する疾患です。
代表的な症状は,腰痛や足の痺れ,歩く事で症状がきつくなってきます。その為,症状を和らげる為に前かがみになって休憩します。
ひどい人では5分ごとに休み,長時間歩く事が困難なります。
腰椎の前弯が強くなる事で,脊柱が変形し保護する脊柱管が狭くなり神経を圧迫する事で,様々な症状を引き起こす様になります。
3:坐骨神経痛
脊柱管狭窄症でも出てくる症状の1つですが,
反り腰では骨盤の前傾が強くなりますがお尻の筋肉で後ろへなんとか戻そうとします。
その結果,お尻の筋肉も緊張しっぱなしで硬くなり,その中を通る坐骨神経痛が圧迫されます。
簡単反り腰チェック
反り腰は,腰と壁やネットとの隙間が重要なポイントになります!
1:仰向けになって寝た際に腰の下に手を入れて右手と左手の当たる
2:壁に踵と頭をつけた状態で腰に手を入れると右手と左手が当たる
この場合は反り腰の可能性があります。
その他にも,足を伸ばして寝ると痛みが出て,膝を曲げて寝ると痛みが和らぐ場合も反り腰の可能性が高いです。
まとめ
・日常的に体の前側の筋肉を使ことが多い為,背筋群が緩んでしまっている。
・特に女性の場合は,仕事に加えて妊娠やヒールを履くことを経験する為より反り腰になりやすい。
・反り腰は簡単にチェックできるのでぜひ試してみてください。
次回は,反り腰の自宅でできるセルフケアを書きますので
反り腰チェックをして当てはまった方はぜひお読みください!!